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【2006.09.05 Tuesday 】 author : スポンサードリンク
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桃源郷目指すだって?!そりゃ犯罪者予備軍だよ!
僕がそいつと出会っちまったのは小学校に入学する数日前だった。

彼のニックネームは けんたまき
誰がつけたかは知らない。今後も知らぬ存ぜぬ突き通す。

けんたまきとの出会いが、僕に桃源郷を見せてくれる事になるとはその時はまだ夢にも思わなんだ。



僕とけんたまきの家は数メートルしか離れていなくて、学校には当然のように二人仲良く登校した。めでたくクラスも同じになった。
僕らの担任はS先生、ロングヘアーのよく似合う先生だった。
僕らはS先生を一目見るなりたちまち好きになり、学校の帰り道はいつもS先生の話ばかりをしていた。

≪けんたまき≫
「Sせんせいってどんなパンティはいてるかなぁ?オレの予想はピンクの水玉だね」
≪僕≫
「オレの似顔絵をプリントしたパンティ絶対はいてるよ!」
≪けんたまき≫
「オレの似顔絵をプリントしたパンティだよ!」
≪僕≫
「オレだよ」
≪けんたまき≫
「オレだよ」

≪けんたまき・僕≫
「オレオレ!オレオレ!」

僕らはその場でどちらの顔がプリントされているかで言い争いになったが、結局二人の顔がプリントされているという結論で程なく仲直りをした。
数日後、僕らは現場検証を行う事にした。

現場検証は教室にて行う。
先生がいつも座る机は下がほんの少しだけすき間があって、小学生の低学年なら何とか頭を潜り込ませる事が可能な程度のすき間だ。

作戦は以下の通り

,韻鵑燭泙が机前方に仰向けに寝る。(その際、頭を机側に向けておく)

∨佑けんたまきを足側から一気に机側に押し出す。

2,気譴燭韻鵑燭泙の頭は自動的(?)に机のすき間へと移動する

せ覲Δ帽がるまだ見ぬパンティ




完璧なシナリオのはずだった。
少なくとも僕とけんたまきの頭の中には、僕らの顔が溢れんばかりにギッシリ描かれたパンティの姿しか無かった。
けんたまきの頭が机の中へ吸い込まれるその瞬間。

「何してんの?」

S先生の声が聞こえた瞬間、僕は凍りついた。
次の瞬間、僕は一目散にその場から逃げた。
けんたまきをその場に置いて…。


けんたまきによる事後報告によるとパンティの柄、つまり現場検証は失敗に終わったのだ。
それからというもの、僕らの頭の中は四六時中パンティの事でいっぱいだった。その妄想は消える事なく日々悶々と暮らす毎日を送っていたのだが。


ある日、けんたまきは僕に言った。

「俺のいとこ、銭湯なんだよね」

何日も続いたスコールが突然止み、綺麗な虹が姿を現した。
けんたまきのいとこのおじちゃんが番台に座っているその銭湯は“菊の湯”。その町の中心地に位置する銭湯だ。その日僕らは夕方遅くに待ち合わせをして“菊の湯”へと走った。
銭湯に着き僕らは躊躇する事なく赤い暖簾をくぐるり、番台へ向かう。
けんたまきは番台のおじちゃんに向かって満面の笑みを浮かべた。僕もそれに習って満面の笑みを浮かべる。おじちゃんは何も言わず目で僕らに免罪符をくれた。



楽園だった。



老若問わず惜しげもなくさらけ出している女体に僕は興奮を覚えた。
S先生のパンティを見る事が出来なかった僕らにとってその光景はまさに夢にまで見た桃源郷であった。
わずか100円で手に入る桃源郷
それから僕らは週に一度は“菊の湯”を利用するようになっていた。

しかしその夢のような日常は長くは続かなかった。
“菊の湯”のおじちゃんが言うにはやはり母親と一緒でもない小学生が女風呂をウロウロしているのは危険だとの事。当然だ。
僕らはわずか数ヶ月で桃源郷のパスポートを取り上げられた。

学校では例の事件以来、S先生は僕とけんたまきを警戒するようになってしまい、S先生のパンティには二人の顔写真がプリントされているかという最大の謎は未解決のままに終わった。今となっては真実を知る術もない。


そして成長するにつれ、その未解決事件もあってかS先生の前では紳士ぶるようになっていた。テストでいい点を取ると微笑みかけてくれる。S先生の微笑みが見たいから…僕が小学生の頃必死に勉強を頑張ったのは、ただただそれだけの理由だった。


今では少なくなったとはいえ、桃源郷(銭湯)は街に存在する。100円で手に入るパスポートは大人には買う事は出来ないけれども、違う方法で桃源郷を覗く事は出来るだろう。僕がその方法を実行しないのはきっと、
あの頃、S先生が僕に微笑んでくれたおかげなのかもしれない。




         〜エピローグ〜

僕が中学2年の時、S先生は結婚をした。


高校1年の元旦
S先生から年賀状が届いた。

あけましておめでとう。
もうたっくんも高校生だね。
この間たっくんを町でみかけたよ。
大きくなったね。
たっくんの今後の活躍を期待しています。
頑張れ!!


僕はその年賀状を、何度も何度も読み返した。
S先生という存在に僕は本当の桃源郷を見た気がした。
【2005.03.06 Sunday 10:39】 author : ポルキス佐藤
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【2006.09.05 Tuesday 10:39】 author : スポンサードリンク
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