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【2006.09.05 Tuesday 】 author : スポンサードリンク
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さらばベルリンの壁  ギブミーチョコレート
1989年
ベルリンの壁は崩壊された
TVでは壁の上に立ち、ハンマーを振り下ろす若者の映像が流されていた。
僕は当時、歴史の背景は知らなかったけれど、
世界の形はどんどん変わっていくんだと感じた。
地球は相変わらず丸いけれども。。。


その五年前

僕は保育園に通っていた。
家から50メートルほどの保育園で、母親が迎えにくるのを毎日待っていた。
保育園では何を学んでいたのか全く覚えていないのだが、唯一の楽しみがお昼寝の時間だったのは覚えている。
大抵の人はこの時間を規則に忠実に睡眠に費やすが、僕はいつも寝たフリをしていた。僕の隣に布団を敷いていたのが近所に住んでいた坂本さんだった。それは禁断のあそびだった。

お昼寝タイムが始まってしばらくは、僕達が騒がないように先生が見張っている。その時間をうまく寝たフリでやり過ごす事は案外難しい。何故ならお昼寝タイムは食後だったし、遊び盛りの僕達は園内の庭で際限なく遊びまくった後だからだ。その後に強制的に目を瞑らされ、物音一つしない部屋で布団の中に入ってしまえば睡魔はいやでも襲ってくる。アメリカに敗戦し、アメリカ民主主義とチョコレートをばら撒かれた日本で暮らしているとはいえ、この権力にほとんどの者は抵抗する事も出来ずに夢の中へ堕ちてゆくのだ。

しかしその時間を乗り越えた時、僕らにチョコレートよりも甘い時間が与えられる。


先生がドアを開け教室から出ていくバタンという音とほぼ同時に、隣に布団を敷いて同じく寝たフリをしているであろう坂本さんの寝具内に体を滑らせる。坂本さんはまるで出張から戻ってきた夫を玄関先で待つような、或いは雨の日に、ダンボール箱に入れられ捨てられた子犬が拾ってくれた人を見るような目で僕を見つめている。
僕は限られた時間を充実させようと坂本さんを抱きしめた。
彼女も僕の体を、知らない部分があるのを恐れるように隅々まで弄る。
お互いに恋や愛という言葉は知らなかったし、もしも知っていたとしても、僕らの衝動を掻立てているのはそういった類いのものではなかったと思う。
それは純粋な探究心であったし、夏休みにしか会う事が出来ない従兄弟と一緒に、カブト虫を探しに知らない森を歩くような、純粋な好奇心によく似ていた。

互いの体を触り合い、次第にその手は互いの下半身に伸びていった。

坂本さん

「何これ〜?木みた〜い」

坂本さんは硬くなった僕のペニスを握りそう言った。



「臼みたい」



僕らはソレが何故違うのか理由は知らなかったが、僕についているソレと坂本さんについているソレに夢中になった。そして僕らはその互いの体を弄る行為を小学校にあがるまで続けた。

振り返ってみれば、僕はあの頃無知であった事にホッとする。もしも僕に知識があって、坂本さんに「僕の木を使って餅つきしよう」と言っていたならば、つまり僕が坂本さんの上に乗り、ハンマーを振り下ろし、ソレを壊してしまっていたならば、欲望はきっと満たされ、ベルリンの壁は今も東と西を分断させていたかもしれない。




アメリカに負け、僕らはチョコレートの甘さを知った。
戦後、日本はどのように変わったのか、そしてこれからどう変わっていくのか、僕には知らない事が多すぎるけれども、チョコレートが簡単に手に入るこの世の中に、僕は結構満足している。
【2005.06.19 Sunday 22:49】 author : ポルキス佐藤
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【2006.09.05 Tuesday 22:49】 author : スポンサードリンク
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